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COLUMN

コラム

2018/11/30

ダリって誰?(投稿者:マイケル竹若)

 

ブログネーム、マイケル竹若です。

先日岡崎世界こども美術館で開催されていた
「天才ダリの版画展」のギャラリートークに参加
してきました。

サルバドール・ダリはスペインを代表する画家です。
溶ける懐中時計の絵が有名です。
芸術家の奇人変人といったステレオタイプなイメージは
この画家が作り出したものといっても過言ではないでしょう。

その作風は無意識や集団意識、夢、偶然などを
をモチーフに幻想的な作品を制作します。
シュールレアリズムと言う芸術の分類に属している画家です。

例えば同じシュールレアリズムの画家
マックス・エルンストはフロッタージュと言って
木の表面など凹凸のある場所に紙を当てその上から鉛筆などで
模様をこすりだしたり、2枚のキャンバスの間に絵の具を挟み込み
自然に出てきた模様から風景を描き出すデカルコマニーと言う
手法を用いて絵に対する意識や作為を排除する取り組みしました。

ジョアン・ミロという画家はアルコールを使い泥酔状態になることで
絵画に無意識を取り込む試行錯誤を行いました。

対してサルバドール・ダリはダブルイメージと言って
見た物が別のモノに見えるという特殊な能力を用いて
画面を構築していきました。
例えばミロのヴィーナスを見てスペイの闘牛士の顔が見えるというのです。
作品を見ると胸に落ちた影が鼻の下の影に見え
腹筋の影が唇に見えるから不思議です。
デザイナーとしても評価されていて
チュッパチャップスのパッケージデザイン
家具もデザインしています。
自分の描いた絵をモチーフに
唇のカタチをしをしたソファーをデザインしました。

ダリは「気持ち悪い」という感情を大切にして
モチーフを選んでいるというエピ―ソードを聞きました。
溶ける時計をモチーフに思いついたのは伸びるチーズを見て
「気持ち悪い」と感じたためだったそうです。
ゆでたホウレンソウやチーズなととろっとした触感のモノが嫌いだったそうです。
一般人ならそういった不快な感情は排除して快く感じたものを
モチーフに選びますがダリはそういった不快な感情にも目を向けます。
不快という感情は無意識が強く関わっている。
そういった感情を拾うことで、新鮮なイメージを描ていたのかもしれません。

学芸員のトークで興味深い話はダリが歴代の画家と同年代の他の画家と自分を
項目ごとに点数付けしていたのが面白くかったです。
特にフェルメールやベラスケスに対して高い得点をつけ
逆にモダンデザインの礎を築いたモンドリアンは0点ばかり並べるという点数表で
写実性に重きを置いた点数付けで意外と保守的だなと感じました。
自分自身にたいしても点数つけしていました。意外とフェルメールに比べると断然低い
点数をつけていたのもダリは自信家というイメージがったので意外でした。
(ピカソより高い点数をつけていましたが。)

最近人工知能が描いた絵が高値で落札されたというニュースを聞きました。
クリエイティブな領域まで人工知能が代替するのかとセンセーショナルを呼びました。
しかし、私が思うには芸術の分野では人工知能は芸術家を代替する存在ではなく
メジャーな画材がテンペラから油絵の具へ変化したように一つの画材として人口知能が
使われるのではないのかと思います。

そう思う理由は、何かを芸術作品と見いだせるのは人間だけだし
その芸術作品を芸術として評価しできるのも人だけだからです。

同じシュールレアリストに、マルセル・デュシャンという芸術家がいます。
デュシャンは男性用便器を横にしてサインしたものに「泉」という
名前を付け芸術作品として発表しました。
それこそ「芸術とは何だ?」というセンセーショナルを呼びました
現在は本物が紛失してレプリカが展示されています。
ただの工業製品が芸術作品になりその複製品が作られる。
本質的には本物も複製品も同じ工業製品で本質的な価値は同じですが
片方は本物の芸術作品で片方はそのレプリカ。
人工知能がその2つの違いを見出し、評価できるにはあと数百年がかかるでしょう。
(人間でもその違いを理解できるひとは少数でしょう。)

ラジオを聴いていて、試し書き収集家寺井広樹さんトークを聞きました。
世界中の文房具店から試し書きを収集している方です。
イタリアの試し書きを数十万で譲ってくれないかという
話もあったそうです。
ただの落書きで価値のないものとされるものに
興味を抱きそれを収集。
それを見た人が高値で買いたいという。
どちらも人でしかできません。
人工知能が描いた絵も文房具屋に立ち寄った人が描いた試し書きも
評価する人がいなければだだの絵です。

ダリは自分が気持ち悪いと思ったものに価値を見出しました。
デュシャンは既製品に芸術的価値を与えました。
寺井広樹さんはごみとされるものに価値を見出しました。
大切なことは常に見聞きするものに関心を持ち
その中の何かに価値を見出せる感性を持つか。
その何かを評価できる社会的地位を確立できるかだと思います。
そうでないと、機械化する価値のない低賃金労働に従事することになり
家畜以下のぞんざいな扱いを受けることになります。

以上。

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