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COLUMN

コラム

2019/05/31

艶(投稿者:マイケル竹若)

ブログネーム、マイケル竹若です。
最近モータースポーツを見ていると
艶のないマシンが多いなと気が付きました。
F1チームでトップクラスのスクーデリアフェラーリ
のマシンも今年から艶消し塗装になりました。

(画像はスーパーフォーミュラです。)
なぜかと調べると軽量化が目的の仕上げたと言います。
透明の塗料を塗ってもムラが出ます。
「ガンムラ」と言ってエアースプレーを塗って
中心部分より周辺のエアー圧が弱くなることで
周辺のミストが舞い上がり塗装面に再付着し
吹き付けた中心は艶が出て周辺が艶が無くなります。
夏場だと表面が乾燥して再付着したミストが
サラツキます。
艶がある仕上げの場合は塗装表面が乾燥しないよう
表面張力が保たれるギリギリまで
厚く吹き付ける必要があります。
艶のない仕上げでもガンムラは出ますが
艶がある仕上げほどシビアに
厚く吹く必要はありません。
そのぶん僅かながら塗料を薄く吹きつけられます。
マシン全体で100グラムぐらいの軽量化になる
そうです。プロの世界はシビアです。
一方、連休中には上皇様の生前退位や
改元などの宮中行事でツヤツヤピカピカの
玉座や御料車がテレビによく映りました。
玉座の制作会社はハッキリわかりませんが
有名な特注家具を手懸けている「ミネルヴァ」と言う
企業が皇室御用達で有名です。
宮本茂紀さんが創業した企業です。
宮本さんは家具モデラーと言う肩書きを持っています。
木工家や家具職人では無く「家具モデラー」
試作家具や、一品制作の家具を手がける職人で
倉俣史郎さん、喜多俊之さん、川上元美さん、隈研吾さんなど名だたるデザイナーの家具を試作したそうです。
「デザインの現場」の2010年4月号で
宮本さんの記事が載っていました。
興味深いコメントに「デザイナーはつくり方をあまり知らない方が楽しいと思う。つくり方を知ることは、
デザインを狭める事になりかねない」と言う言葉が
気になりました。
実際私も家具デザインの真似事をした事がありますが
作業者側からするとつい作りやすい形に
流れる傾向があります。
特に気不味い部署がかかわる場合はおざなりな
デザインになり、作る意味が見出だせないものに
なってしまいます。
様々な一流デザイナーからの挑戦を家具モデラーとして
受けてきた、創意工夫の歴史が
皇室に使われる家具を制作依頼される艶のある
人になれるのだなと感じました。
すこし艶の話題から脱線しましたが
もう一つの艶の話。
御料車についての話です。
天皇陛下の御料車はトヨタセンチュリーという車です
最近モデルチェンジをしてその姿は
今年の箱根駅伝でもテレビ中継され話題になりました。
ショーファードリブンと言って送迎されるために
デザインされた車で後部座席の方が豪華なデザインになってます
YouTubeで製造過程を撮った動画が公開されていました。
外観のデザインの特長は太いCピラーです。
後部座席に乗り込む要人が身だしなみをととのえる
姿見としても機能するようピカピカに磨き上げています。
本来ならプレス加工してそのまま塗装工程に入るのですが このセル使用はプレス加工をした後に職人がハンドクラフト でグラインダーをかけて歪みを取り除いています。
その後通常では行わないほど塗料を何度も塗り重ね
磨き上げます輪島塗を参考にした工程で
塗装の名前は[エターナルブラック神威」といったすごい
禍々しい名前がついています。
もはや走る工芸です。
家具についても艶の指示はあります。
大まかに100%艶消し、70%艶消し、30%艶消し
の3つが多く、イレギュラー的に
150%艶消し、120%艶消し、50%艶消し
という指示もあります。
やはり艶のある物件は難しいですね。
まず 今日の時点でしっかり検査をしていないとでこぼこが表に現れます 。また下地塗装した後もペーパーがしっかりかかっていないとペーパーのかけた筋が残っていてそれが目立ってしまいます そして塗装もしっかり厚塗りをして
表面張力が破け垂れる手前までしっかり
塗料をのせる必要があります。
使うエアーガンの口径によって塗料の厚みが変わり
同じ塗料なのに艶感が変わったり
濃い色か薄い色でも艶感が変わりますし
(濃い色の方が塗料のせるので艶が出やすいし、
ハイライトと濃い色とのコントラストが
激しいので艶感が増す)
家具の形状でも艶感が変わります。
(丸い形の椅子はハイライトが入りやすいので
艶感が出ます)
F1マシーンにしろ、玉座にしろ、御料車にしろ
一流の技術の結集です。そういった仕事に憧れます。

以上。

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